12.65%
この数字なんだかわかりますか?
2020年の男性の育休取得率です。
2019年まで10%未満が続いてましたが、新型コロナウイルスの影響もあり少しずつ取得率は上昇傾向にあります。
実際、内閣府の調査によると「家族の重要性に対する意識が高まった」という回答が49.9%に上っています。
(出典:新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査)
しかしながら、家族の重要性に対する意識が上がっているのとは裏腹に、職場での男性育休取得はまだまだ足りないのが現状です。
- 育休を取りたいんだけど職場の理解が得られそうにない
- 管理職だから育休なんて取れない
- 育休取ったら今後の出世や立場に影響が出そう
かくいう私も育児休業を取得した経験があります。
私の勤務先では、男性で育児休業を取得した人は1人もいない状況でしたので、その大変さは痛いほどわかります。
そんな私の経験も踏まえ、こんな思いで悩んでいるお父さんの参考になればと思います。
職場の理解を得られるようにするアクション
まず何はなくとも、アクションを起こさないことには始まりません。
一つ一つ見ていきたいと思います。
上司に早めに相談し、対応策を考えてもらう。
まずは直属の上司に相談するところからスタートです。
この相談した時の上司の反応で、この先の前途多難度合いも変わってきます。
おおむね協力的な反応であれば建設的に話し合いを進めていき、否定的な反応であれば他部署(人事部等)も巻き込んで話を進めていきましょう。
- どのくらいの期間、育児休業を取得するか
- 育児休業取得期間中の対応策(まずは自分の考えを伝える)
- 現在、自分が抱えている仕事の状況をまとめる
育休を取得するために、上記3点を考えてから相談にのぞみましょう。
引き継ぎの準備を始める
この段階ではまだ後任が決まっていないと思いますが、誰が引き継いでもいいように引き継ぎ書の作成などをどんどん進めてしまいましょう。
ここで私の失敗談ですが、後任者への引き継ぎを最低限の資料を基に口頭で引き継ぎたい思っていたんです。
そうして時が過ぎ、育休取得開始1週間前になっても後任者が決まらなかったんです。
さすがの私も焦って「後任者はいつになったら決まるんですか?」と聞いたところ、特定の後任者は設けずチームで対応するから引き継ぎ書をきちんと作成しておいてと言われました。
そこまでほっといた私も私ですが、育休取得中に誰かしらに協力を頂かなければいけないのは間違いないので、後任者が決まっていようがいまいが、できるだけ早く育休準備(引き継ぎ書作成等)をしましょう。
他部署も巻き込む
直属の上司に最初に相談した時の反応が否定的であった場合は、特にこれが有効です。
もちろん肯定的であった場合でも必要ではあります。
労働者の権利であることをストレートに伝えるくらいの気概が必要だと思います。
その上で、以下のことも話し合っておくとより効果的です。
- 人事評価や昇進・昇格等の基準を明確にする
- 育児休業復帰後について、今まで以上に意識高く働けること
いずれにしても、一番大切なのは「絶対に育休を取得する!」という覚悟です。
管理職で育休を取得するメリット
実際に私も管理職の時に育休を取得したのですが、実体験としてこんなメリットがありました。
ビジネスにも通じるスキルアップ
- 前例のないことに挑戦する意欲と行動
- 育休取得時の根回しや交渉など
- 育児と仕事を両立するためのタイムマネジメント
- いろんなことを言われることに対するストレス耐性
- 新しいことに挑戦したことで、一段と視野が広がる
人によってはもっともっとあると思いますが、挑戦して行動するからこそ得られる貴重な経験・スキルです。
管理職の方が逆に育休取得しやすい
管理職ではない方ですと、どうしても一般的には上司の指示により日常業務をこなすことが多いと思いますので、職種にもよりますがなかなか自分の業務をコントロールすることが難しいのではないでしょうか。
その点、管理職はある程度自分のコントロールできる領域が広く、取得しやすいということが言えると思います。
もちろん、仕事の内容的にはそれだけ責任を任されている訳ですから、反射的に長期の育休取得にためらいがでることもわかります。
そういった先入観を捨てて、決意を持って育児休暇を取得しましょう。
後輩社員の見本になれる
私自身、自分の職場で男性初の育児休暇取得者となった訳ですが、復帰後に職場で思わぬ反応がありました。
あまり接点のない他部署の方から声をかけられることが多かったんです。
- 「男性初の育休すごいですね!」
- 「よく育休なんて取れましたね!」
- 「これをキッカケにもっと広がればいいですね!」
などなど。
特に女性からの反応が多かったです。
私としてはめちゃくちゃ嬉しく、誇らしかったです!
育休取ってよかったなーって。
実際にその翌年には、後輩男性社員が育休を取得していました。
育児休暇取得後の出世や立場が不安
育児休暇を取得することで、復帰後にどういう扱いをされるのか、出世の道が閉ざされてしまうのではないか。
そんな思いを抱くこともあると思います。
ここでは、そんなときの考え方をご紹介します。
自分にとっての幸せを考える良い機会
- 同期のあいつより給料がいい
- 新築戸建てを買った
- 昇進が遅れた
などなど、競争社会の中で戦ってきたお父さんにしてみれば、この優先順位が非常に高く、これこそが幸せに通じる道であると考えていると思います。
そこでこの育児休暇をキッカケに考えて欲しいんです。
あなたにとっての幸せて何か。
幸せって「仕事」だけじゃないと思うんです。
家庭、地域といったものにも目を向けると、また違う世界が見えてくるはずです。
いくら仕事に打ち込んで出世を果たしたとしても、家にほとんど帰らない、家族との会話もあまりないような状況ではどうでしょうか。
いろんな幸せを考えている方が、人生は充実します。
そういった精神状態の中で仕事を取り組めば、結果的に良い成果を残すことにも繋がるはずです。
スウェーデンでの参考事例
日本ではまだまだ育児休暇取得率が低いので、実際に職場復帰したあとどうなったのかを見る例が少ないのが現状です。
そこで育児休暇先進国であるスウェーデンの例を参考にしたいと思います。
スウェーデンでは約40年前から「両親休暇」という育児休暇制度があります。
男性役職別育児休暇取得率
ホワイトカラー、ブルーカラー、中間管理職:約70%
役員:約90%
引用元:スウェーデン企業におけるワーク・ライフ・バランス調査(2005年)
つまりスウェーデンの男性役員のうち、90%が育児休暇取得経験者であるということ。
育児休暇を取得しても、その後多くの男性が相対的に役員まで出世していることを意味します。
これは日本での男性の育児休暇取得が当たり前になれば、スウェーデンのような状況になるのも遠い話ではないと思います。
まとめ
- 職場の理解を得られるようにするアクション
- 管理職で育児休暇を取得するメリット
- 育児休暇取得後の出世や立場が不安
以上について解説しました。
育児休暇を取得しようか悩んでいるパパにとって少しでも参考になれば幸いです。
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